『明るい家をつくるには』~ラプロス流・免許皆伝~

2020.07.06

今回は、明るい家をつくるには、というお話。

 

都市型戸建てならではの採光設計

この免許皆伝で窓のことを何度か書きましたが、明るいと言えば、日中の明るさのことを考えます。南向きの大きな窓から気持ちの良い日差しが入り、家の中がぱーっと明るい。なんて、素敵ですね。けれど、実際にはそのような理想的な家はなかなか難しい。日差しが入ると、窓周辺は明る過ぎるくらいになります。外部からの視線も気になります。レースのカーテンを閉じると明るさは安定し、視線も気にならなくなりますが、部屋の奥のほうは十分に明るい状態ではなくなります。いや、実際は部屋の奥のほうでも十分な照度はあるのですが、窓際が明るすぎるので奥のほうが暗く感じてしまうのです。

ラプロスでは、都市型戸建ての提案として「細長い家」をつくっていることは以前ご紹介しました。細長い家は、間口が狭いため、南側に玄関を設ける場合、南面の窓は十分な大きさがとれません。そこで、工夫が必要です。リビングを例に取ります。まず南面にメインとなる大きな窓を設けます。これは掃出し窓という、外部に出入りできる窓にします。部屋の奥のほうの明るさを確保するために、部屋の側面、つまり東または西向きの窓を設けます。この窓からは直接の日差しは入りませんが、周囲からの明るさを取り入れることができます。でも、窓を設けて家具を配置するのに邪魔になってしまってはいけません。テレビを窓の下に置く想定をして、窓を高い位置に設けるようにします。隣の家からの関係に配慮し、型ガラスにして中が丸見えにならないようにします。

 

1階に光を届ける階段吹抜採光

「細長い家」では、リビングの中に階段を設ける間取りとすることが多いのです。リビングに階段を設けると面積効率が高く、リビングに広がりを感じられる効果がありますが、反面、階段が吹抜となるため、リビングでの暖房効率が下がります。が、それを逆手にとって、階段部分の吹抜をスリット状に広げ、2階の窓からの採光を1階まで届くようにして、1階のリビングを柔らかく明るくする工夫をしています。これがなかなか効果的で、いいんですね。気配が通う家を常々目指しているアラキとしては、気に入っている手法です。

この階段吹抜採光は、モデルハウスで見ていただくことができます。他にも、建設予定の住宅でこの手法を採用しているところがありますので、ご覧になりたい方はぜひお声がけください。(できればご購入ください。)
 

 

ところで、窓には、採光だけでなく、換気、外の景色、出入り口という機能もあります。私の尊敬する建築家の一人に、磯崎新氏がいます。氏が若い頃に発表したN邸という住宅がありますが、これは、1つの窓に1つの機能、つまり、採光の窓、換気の窓、というように位置づけた、前衛的なものでした

昨年、大分市美術館の磯崎新展に大分出張で見てきました。あ、サボるわけではなく、あくまでも建築の勉強、研修ということで。